外反母趾の原因と対策
外反母趾の原因と対策
外反母趾の痛みと変形
外反母趾とは
親指の付け根の関節が外側に曲がり、ほかの指や足裏にも影響を与える。
外反母趾とは、足の親指(第一趾=母趾)の付け根の関節が、体の外側(小指側)に曲がってくる(外反)病気です。
親指に付け根が出っ張ってくるように見えますが実際に骨が出っ張ってくるわけではなく、関節が曲がってしまうために、そう見えるのです。
外反母趾がどうかは、エックス線写真を撮、関節がどのくらい曲がっているかを計測して診断します。
外反母趾角の測定
・20~30度 軽度
・30~40度 中等度
・40度以上 重度
母趾中足骨と母趾基節骨の中心線が交わる部分の角度を外反母趾角という。
外反母趾角が20度以上あれば外反母趾と診断される。その角度によって、軽度~重度までに分類される。
外反母趾の進行
軽い場合には、親指の付け根が少し小指側に曲がっている程度で、ほかの指への影響はありません。
進行すると親指の付け根がさらに曲がってきて、第二趾を圧迫するようになり、第二趾の付け根の裏辺りに「たこ」ができて痛んだりします。
さらに進行すると親指が第二趾に重なって、その影響により第二趾の付け根の関節が脱臼したり指先が靴の中でこすれて潰瘍ができたりして痛むこともあります。
外反母趾の進行
軽度
親指の付け根の関節が小指側に曲がっている。
ハイヒールを履いたりすると、付け根が靴に当たって赤く腫れたり、痛みが出たりすることも多い。
中等度
付け根の関節がされに曲がっている。
体重を支えるバランスが悪くなって、第二趾の付け根の裏辺りにたこができ痛みが出たりするようになる。
重度
関節がさらに曲がり、親指が第二趾に重なって、第二趾の付け根が脱臼したり、指先が靴の中でこすれて潰瘍ができたりすることもある。
軽度 中等度 重度
外反母趾が起こる原因は、今のところはっきり分かっていませんが体質的な要因が大きいと考えられています。
かかとが高く、つま先の細いハイヒールを履くことは外反母趾を起こす原因ではないものの、痛みを起こしたり進行させたりする要因の一つであるといわれています。
外反母趾が起こっていても、痛みがなく、ほかの指への影響が無ければ、特に問題はありません。
痛みがあったり、ほかの指を圧迫しているような場合は整形外科を受診してください。
外反母趾の対処法
外反母趾になった場合の対応法には、「靴選び」「運動療法」「手術」があります。
靴選び
ハイヒールを履くと、狭い靴のつま先に足が押し込まれて親指が小指側に曲がった状態になります。
そのうえ体重のほとんどを足先で支えることになり足先に大きな負担をかけます。
このようにして親指の付け根が圧迫されるため痛みも生じやすくなります。
靴選びは、「足に靴を合わせる」ようにすることです。
靴選びのポイント
・全体に緩すぎず、かかとがフィットする。
歩いたときにかかとが脱げないものを選ぶ。緩すぎると靴の中で足が動いて、こすれたりする。
・立った状態で、指の曲げ伸ばしが可能
つま先に指が動かせる程度の余裕があるものを選ぶ。
・ヒールの高さは5cm以内
ヒールが高いと重心が足先にいき圧迫される。
できればヒールの高さは3cm以内が望ましいが高くても5cm以内にとどめる。
ファッション性を重視して作られるハイヒールは足先の中央を中心に先が狭まっている。
素足とハイヒールを履いた場合のエックス線写真を比較すると、ハイヒールを履いた場合は親指が小指側に曲がった状態になっていることが分かる。
また、足にかかる体重の負荷は、素足で立っている場合、かかと側におよそ6割、足先側におよそ4割だが5cm以上のハイヒールを履くと負荷のほとんどが足先にかかる。
親指の付け根は靴にこすれやすいうえ体重の負荷がかかって圧迫され痛みがでやすくなる。
外反母趾の運動療法
外反母趾の人向けの運動には、主に
「足の関節を柔らかくする運動」「ホーマン体操」「足の筋力を鍛える運動」
の3つがあります。
一般に中等度ぐらいまでの外反母趾に適しています。
目安の回数を参考に、できるだけ数多く行うと効果的です。
ただし、痛みのない範囲で行うこと、強い痛みがあるときは行わないことが大切です。
足の関節を柔らかくする運動
①曲がった親指を痛みのない範囲でまっすぐに伸ばす。
②動く範囲で、親指をゆっくり上下に動かす。
1日3回、各10分間程度を目安に行う
ホーマン体操
①足を前に伸ばして椅子に座る。
②両足の親指に幅の広い輪ゴムを掛ける。
③両足のかかとを合わせたまま、つま先を扇のように開き、10秒間ほどその姿勢を保ってから緩める。
1日3回、各10分間程度を目安に行う
筋力を鍛える運動
①床にタオルを広げ、その上に立つ。
②足の指を使ってタオルをたぐり寄せる。
*両足を一度に行っても片足ずつ行ってもよい
朝晩それぞれ10分間程度を目安に行う
外反母趾の手術療法
親指の骨を切りずれた軸を元に戻す
外反母趾の痛みが強く日常生活に支障を来す場合には、最終的の手段として変形した関節を本来の形に戻す手術が検討されます。
手術では親指の骨を切り、ずれた軸を元にもどします。
代表的な方法に「マン法」と「シェブロン法」があります。
医療機関によって異なりますが一般的に入院期間は5~6日で、その後、松葉杖が必要な期間が3週間~1ヶ月程度です。
手術後1ヶ月程度で普通に歩け、2ヶ月程度で早足や小走りができるようになります。
3ヶ月程度たったら骨を固定していた金具を取り外します。
手術方法
・マン法
母趾中足骨の根本のほうを切り軸をずらす。
必要があれば出っ張りの部分を削ることもある。
・シェブロン法
母趾中足骨の頚部を切って軸をずらす。
必要があれば、出っ張り部分を削ることもある。
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