男性の薄毛、薬で解消
男性の薄毛、薬で解消
AGAの最新治療法
働き盛りの男性の悩み、薄毛。
特に生え際や頭頂部が薄くなる症状に、投薬による治療が効果的と関心が集まっています。
男性型脱毛症(AGA)の最新の治療法について。
男性型脱毛症(AGA-Androgenetic Alopecia)とは
男性ホルモンと遺伝によるもので、成人男性の3人に1人がなる症状です。
毛髪が密集する割合が減り、頭髪が薄くなります。
髪の毛は2~6年で生え替わります。
毛が太くなる成長期、毛根での細胞分裂が止まり毛髪を作る組織・毛包が退縮する退行期、完全に毛髪の成長が止まる休止期、そして次の成長期に入るときに古い毛髪が抜けるという流れを一生のうち15回以上繰り返します。
成長期が徐々に短くなり、柔らかく短い毛のまま1年ももたず抜け落ちます。
通常、休止期に入る毛根は全体の10%ほどですが、AGAが進行するとその割合が増えるため薄くなっていきます。
日本人の場合、まず頭頂部が薄くなる、俗に言う「O型」が多い。
その後、額の生え際が後退していく「M型」になります。
後頭部周辺は男性ホルモンの影響を受けにくいのです。
男性だけでなく女性も同じ原因で症状が出るため、男女を問わず、親族にAGAがいる場合はリスクが高くなります。
治療法
日本皮膚科学界の診療ガイドラインで最も評価が高いのが薬剤での治療です。
ミノキシジルが入った塗り薬が十数年前に日本に導入されました。
2009年、より濃度が高い男性用のリアップX5(大正製薬)が薬局で取り扱われています。
毛根の奥にある毛乳頭細胞に作用して毛髪の成長を促します。
2006年に登場した内服治療薬フィナステリドは医師が処方します。
毛乳頭細胞が男性ホルモンの影響を受けるのを抑えます。
1日1回服用し、1か月で約1万円かかります。
臨床実験によると、服用した9割の患者に抜け毛を抑える効果が認められました。
若い人のほうがより効果が出やすいです。ただし女性には使えません。
受診上の注意点
まず過大な期待は禁物です。
フィナステリドの場合、増えたと思えた人は3割程度で、効いてきたと実感するのに1年ほどかかる根気のいる治療です。
保険適用外なので費用もそれなりに掛かります。
第三者が見ても分からない軽症であれば薬をのむ必要はありません。
副作用
試験段階で性機能障害の自覚症状が1%程度ありましたが、「薬を飲んでいる」と意識したことで表れるメンタル面が影響している可能性もあり、内服薬の中では比較的安全性が高いです。
今すぐ何とかしたい人の解決策
カツラもありますが、手術で後頭部の皮膚を切り取り、毛包を株分けしてから毛の薄い部分に移植する方法もあります。
自由診療なので医療機関によって費用は異なりますが、数十万円から移植する数が多ければ200万円近くになる場合もあります。
移植後も薄毛が止まるわけではないので、内服治療と一緒に行うのが良いです。
毛髪に関するうわさ
・昆布やワカメを食べると髪は黒々とする?
× ウソ
ただし、発毛にはすべての栄養素が必要なので食生活の見直しは効果的。
・ストレスで薄毛になる?
△ どちらとも言えない。
薄毛を気にする40歳台後半は、社会や家庭でストレスを感じやすい時期と重なるからでしょう。
・頭皮の油が薄毛の原因?
× ウソ
男性ホルモンで皮脂量は増えますが、抜け毛とは直接関係しません。
・頭皮を刺激すると髪が育つ?
× ウソ
ヘアブラシなどで頭部をマッサージしても頭皮は柔らかくなりません。
抜け毛と頭皮の質、血行は直接関係ありません。