カルシウム不足に、牛乳を飲もう
牛乳が苦手な人も、飲んでいれば乳糖分解酵素が増える
「牛乳を飲むとおなかがゴロゴロするので、自分には牛乳が合わない体質だ」と思っている方も多いです。
「日本人は牛乳が合わない体質だ」と言う人もいます。
でも、日本人は欧米人に比べて牛乳の摂取量が少ないので、「牛乳に慣れていない人が多い」が正しいのです。
腸の中には牛乳に含まれる乳糖を分解するラクターゼという酵素があり、牛乳をよく飲む人には、この乳糖分解酵素がたくさんあります。
牛乳をあまり飲まない人は、この酵素が減ってしまうことがあります。
それで、おなかがゴロゴロしたり下痢をする乳糖不耐症になるのです。
この酵素の量は生まれつきではなく牛乳を飲む量で変わってきます。
子供の頃、ほとんどの人は抵抗なく牛乳を飲んでいました。
学校時代は給食で毎日飲んでいた牛乳も、その後成長すると牛乳を飲む習慣がなくなる人が多いです。
だから乳糖分解酵素が減り牛乳が飲みづらくなる人が増えてくるのです。
今からでも牛乳を飲む量を増やしたら、乳糖分解酵素が増えて体が牛乳に慣れてきます。
冷たい牛乳は腸を刺激しやすいので温めて少量ずつ飲むと、だんだん飲めるようになります。
「牛乳でカルシウムをとっても骨は強くならない」ということも、たまに聞きます。
確かにカルシウムだけを大量にとっても骨は強くなりません。
リンやビタミンD、Kなどほかの栄養素や運動も必要です。
その点、牛乳や乳製品はこれら栄養素を一緒に含んでいるし、乳糖もカルシウムの吸収率を高めます。
骨粗鬆症のため、サプリメントでカルシウムを摂るよりも牛乳の方がバランスよく摂れます。
世界中の数多くの研究で、骨粗鬆症の予防に牛乳は効果ありと認められています。
高齢になってからの骨折は寝たきりの引き金にもなります。
長い生涯にカルシウムをとることは大切です。
日本人のカルシウム摂取量はまだまだ不足しています。
参考
牛乳100ccのカルシウム含有量は約110mg
コップ1杯 150cc(カルシウム約160mg)
国民栄養調査でも、カルシウムは日本人に唯一不足している栄養素となっています。
体重1kg当たり10mgと定められているので、60kgの人なら所要量は約600mgということになります。
(成長期では800mg、妊婦の場合は1100mg)。
しかし、実際には日本人の約70%の人はこれだけの量を摂取できていないといわれています。
昔は日本人の食事といえばカルシウムたっぷりの小魚や野菜中心のバランスのとれたメニューでしたが、昭和30年代頃を境に日本人の食生活は大きく変わり肉料理や加工食品(特にインスタント食品)中心になってきました。
また、日本の土壌にはカルシウムが少ないために、野菜や水などに含まれるカルシウムも少ないのが、日本人のカルシウム不足の大きな原因と思われます。
ご存知の通り、カルシウムは骨や歯をつくる大事な原料になるものです。
しかし、それだけではなく筋肉の伸び縮みをコントロールする刺激に対する神経の感受性を鎮める、アレルギーなどの過剰な反応を抑える、というように体のあちこちでいろいろな働きをしています。