尿漏れに、おむつは なるべく使わずに
【やさしい介護学】
尿漏れに、おむつは なるべく使わずに
排泄の間隔をつかもう/トイレ介助を学ぼう
今、介護の現場では、体が不自由な高齢者でも、なるべくおむつを使わずに排泄(はいせつ)の世話をしようという動きが出ています。
おむつを着けるのはお年寄りに抵抗があるうえ、着けるのに慣れるとトイレに行こうという意欲が弱まるからです。
介護が必要な人でもおむつに頼らない方法はあります。
お年寄りや介護の状況に応じて試してみては、いかがでしょうか。
京都市のYさん(44)の義母(78)は、足の手術の後遺症などのため自力で立ち上がったり歩いたりできず、ベッドで寝返りもうてません。
それでも、自宅では家族やヘルパーの介助で車いすに乗りトイレへ行きます。
尿取りパッドを1枚入れた薄手のおむつを着けていますが、これは念のための措置です。
義母が昨春に倒れ寝たきりに近い状態になった時は、おむつを使った排泄の世話を覚悟したといいます。
しかし、その秋に排泄総合研究所(京都市)が主催する「オムツフィッター研修」を受け考えが変わりました。
排泄には一定のリズムがあることやトイレ介助の基本や役立つ機器について学んだからです。
自宅でのケアを始める前に義母の排尿・排便の間隔をつかんだうえ、ベッドと車いすと座面の高さを同じにして移りやすくしたり、車いすが通れるようトイレの入り口を改修したりしました。
「トイレに行けるので、表情も生き生きとしています」とYさんは言います。
おむつを使わずに済む方法を考える際は、ぼうこう炎などの病気が無いか診てもらったうえで、本人が尿意や便意を周囲に伝えられるかどうかで大きく対応が分かれます。
世話する人に尿意を伝えることができる場合、次にトイレを使えない理由を考えてみます。
寝たきりである、手足が不自由で移動に時間がかかる、便器に座れない――などが考えられます。
ただ、寝たきりといわれる人のうち9割は、介助や福祉機器を活用することで座る姿勢が保てると言われます。
ベッドに座れれば、車いすに移ってトイレへ行く、あるいはベッドの脇に置いたポータブルトイレを使う、ベッド上で使える尿具を利用する――というように、選択肢がぐんと広がります。
「立ち上がれなくても、お尻の下に敷くことで滑るようにベッドからポータブルトイレへ移れ、介護者の負担も減る介護用スライドシートのような体の状態に応じた福祉機器があります。
ケアマネジャーなどに相談してみてください。
尿意・便意を伝えることができない場合、排泄の間隔を調べて少し早めにトイレへ連れて行くなどの方法があります。
おむつを使うことになった際も、見た目に分かりにくいパンツタイプなど選択肢はあります。
また、繊維質を含む食べ物や水分を多めにとるといった食事の工夫で排泄のリズムを整えることもできます。
体に合ったいすや食器を選び、できるだけ体を起こして食べることも大切な要素です。
このほか、指先が不自由でも簡単に下ろせるよう工夫されたズボンに替えるなど衣服の工夫も役立ちます。
昼間はトイレへ行き夜間はベッド上で尿具を使うというように介護態勢に応じて使い分けたり、おむつは夜間だけにしたりする方法もあります。
おむつを使わないことは介護者の負担が増すように思えますが、本人にとっては、トイレに行くため体を少しでも動かせば心肺能力や筋力も維持できるほか肌のトラブルや感染症の心配も格段に減ります。
何より本人の尊厳が守られることで、言葉が出るようになる、表情が豊かになる、といった利点があります。
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