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五十肩以外の肩の痛みの原因肩腱板断裂・石灰腱炎(石灰沈着性腱板炎)
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肩の痛みの主な原因
原因となる病気で多いのは
腕の外側に痛みが起こり、「突然激しく痛む」「腕を動かすと痛む」「夜も痛みが続いて眠れない」などの症状が現われます。
このような症状があったときは、3つの病気のどれかの可能性が高いと考えられます。 ・五十肩 肩の関節包に炎症が起こります。 ・腱板断裂 腱板が切れることでその部分に炎症が起こります。 ・石灰腱炎 腱板に石灰が沈着して起こる病気です。
症状は似ていても、互いに異なる病気ですから原因に合った治療が必要です。 医療機関を受診し原因を特定することが、痛みを早く解消することにつながります。
診断方法 五十肩、腱板断裂、石灰腱炎は症状から見分けることは難しく診断には詳しい検査が必要です ・腱板断裂の診断にはMRI(磁気共鳴画像)検査や超音波(エコー)検査が有効です。 ・石灰腱炎の診断にはエックス線検査が有効です。 ・五十肩では関節包に炎症が生じますが、炎症の有無や程度は画像検査では分かりません。
肩の痛みがあり画像検査で異常が確認されなかったときには、五十肩の可能性が高いと考えます。
肩腱板断裂
症状 発症年齢のピークは60歳代です。
肩の運動障害・運動痛・夜間痛を訴えますが、夜間痛で睡眠がとれないことが受診する一番の理由です。 運動痛はありますが、多くの患者さんは肩の挙上は可能です。 五十肩と違うのは、拘縮、すなわち関節の動きが固くなることが少ないことです。
腱板断裂は腱板の老化が原因です。 明らかな外傷によるものは半数で、残りははっきりとした原因がなく日常生活動作の中で断裂が起きます。 男性の右肩に多いことから、肩の使いすぎが原因となってことが推測されます。
断裂型には完全断裂と不全断裂があります。 若い年齢では投球肩で不全断裂が起こることがあります。
診断 診察では、肩が上げることができるか、拘縮があるか、肩を上げて軋轢音があるかどうか、筋萎縮があるかどうか調べます。 軋轢音や棘下筋萎縮があれば腱板断裂を疑います。
治療
保存療法 急性外傷で始まった時には、三角巾で1〜2週安静にします。 断裂部が治癒することはありませんが、70%は保存療法で軽快します。 保存療法では注射療法と運動療法が行なわれます。 注射療法では肩関節周囲炎を併発して夜間痛があると水溶性副腎皮質ホルモンと局所麻酔剤を滑液包内に注射しますが、 夜間痛がなくなればヒアルロン酸の注射に変えます。 腱板のすべてが断裂することは少ないので、残っている腱板の機能を賦活させる腱板機能訓練は有効です。
手術療法 保存療法で肩関節痛と運動障害が治らないときは手術を行ないます。 手術には、関節鏡視下手術と通常手術(直視下手術)があります。 関節鏡視下手術の方が手術後の痛みが少ないので普及してきていますが、 大きな断裂では縫合が難しいので直視下手術を選択するほうが無難です。 どちらの手術も、手術後は約4週間の固定と2〜3ヵ月の機能訓練が必要です。
石灰腱炎(石灰沈着性腱板炎)
症状 急な激しい肩の痛みで始まることが多いです。 睡眠できないほどの激しい痛みで肩関節を動かすことが出来なくなります。
原因と病態 40歳以降の女性に多く発症します。 肩腱板内に沈着したリン酸カルシウム結晶によって急性の炎症が生じる事によって起こる肩の疼痛・運動制限です。 この石灰は、当初は濃厚なミルク状で、時がたつにつれ練り歯磨き状、石膏(せっこう)状へと硬く変化していきます。 石灰が、どんどんたまって膨らんでくると痛みが増してきます。 そして、腱板から滑液包内に破れ出る時に激痛となります。
診断 痛みの場所や肩関節の動きなどをみて診断します。 肩関節の関節包や滑液包の炎症である五十肩(肩関節周囲炎)の症状とよく似ており、レントゲン撮影によって 腱板部分に石灰沈着の所見を確認する事によって診断します。 石灰沈着の位置や大きさを調べるためにCT検査や超音波検査なども行なわれます。 腱板断裂の合併の診断にMRIも用いられます。
予防と治療
保存療法 激痛を早く取るために、腱板に針を刺して沈着した石灰を破りミルク状の石灰を吸引する方法がよく行われています。 三角巾などで安静にし、消炎鎮痛剤の内服、水溶性副腎皮質ホルモンと局所麻酔剤の滑液包内注射などが有効です。
ほとんどの場合、保存療法で軽快しますが、石灰沈着が石膏状に固くなり強い痛みが再発することもあります。 硬く膨らんだ石灰が肩の運動時に周囲と接触し炎症が消失せず痛みが続きます。 痛みが強く肩の運動に支障がありますと、手術で摘出することもあります。
痛みがとれたら、温熱療法(ホットパック、入浴など)や運動療法(拘縮予防や筋肉の強化)などのリハビリを行います。 五十肩(肩関節周囲炎)は下記をクリック
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