上手な冷え性対策
エアコンが苦手な方に
「冷え性」の原因として、「自律神経の乱れ」や無理なダイエットによる
「エネルギー不足」 などが考えられます。
冷え性の原因と対処法について。
<冷え性の原因>
自律神経の乱れやダイエットによるエネルギー不足
夏でも、手足の先が極端に冷たくなり、温めてもなかなか温まらないという人がいます。
このような「冷え性」の人は、これまで一般に女性に多いと言われてきましたが、最近は中高年の男性でも冷えを感じるという人がいます。
手足の先が冷たくなるのは、指先にまで十分の血流が行き届かないためですが、
その原因として
・「自律神経の乱れ」
・「無理なダイエットなどによるエネルギー不足」
・「糖尿病などのよる末梢神経障害」
などが考えられます。
・自律神経の乱れ
自律神経は、心臓などの臓器の働きを調節したり体温を調節するなど、意志とは関係なく働いている神経です。
自律神経には、主に活動時に優位に働く「交感神経」と、主に休息時に優位に働く「副交感神経」があります。
それぞれが優位に働いているとき体の機能は以下のようになります。
交感神経: 発汗促進、血圧上昇、心臓を早く動かす、血管収縮など。
副交感神経: 発汗抑制、血圧下降、心臓をゆっくり動かす、血管拡張など。
ところが、活動時に交感神経が十分に働かなかったり、逆に休息時に副交感神経ではなく交感神経が優位に働くなど、「自律神経の乱れ」が生じることがあります。
<交感神経・副交感神経と体の機能>
交感神経は主に活動時に優位に働き、副交感神経は主に急側地に優位に働いて、体の機能を調節している。
自律神経は、末端の神経や血流もコントロールしています。
外気温が下がり、指先などが冷えると、交感神経は手足の先などへの血流量を増やして温めようとします。
しかし、自律神経が乱れていると、末端への血流量が増えず冷えた状態のままになります。
自律神経が乱れる理由
自律神経が乱れが生じる理由として、「ストレス」や「器質的な障害」などが考えられます。
ストレス
ストレスを感じると、情動を司る中枢に負担がかかります。
脳の中の情動を司る中枢と自律神経を司る中枢は近い位置にあるので、情動を司る中枢に負担がかかると、近くの自律神経を司る中枢も影響を受けて、自律神経に乱れが生じることがあります。
器質的な障害
脳出血や脳梗塞などの脳血管障害により、脳に何らかの障害が起こると、自律神経が正常に機能しなくなることがあります。
自律神経を司る中枢に障害が起きているので、その指令が適切に末梢神経にまで伝わりません。
<自律神経が乱れる原因>
ストレスを感じると、脳にある「情動を司る中枢」に負担がかかり、近くの「自律神経を司る中枢」にも影響を与え、適切に手足を温めたり冷やしたりする調整ができなくなる。
・無理なダイエットが原因で冷えることも
体を温めるためのエネルギーが不足することも冷えの原因になります。
例えば、食事の量を極端に控えるダイエットを続けているとエネルギーが不足します。
呼吸したり血液を全身に巡らせるなど体の機能を維持するために必要な基礎代謝は、一般に20~40歳代女性で1日に約1200キロカロリー、20~40歳代の男性で約1500キロカロリーです。
血液で運ばれるエネルギーは、脳や内臓など体の重要な部分に配分されるので、摂取エネルギー量が不足すると、体の末端までエネルギーが届きにくくなるため、手足が冷えることになります。
・糖尿病などによる末梢神経障害
「糖尿病」の合併症が進行すると、細い血管や自律神経を含めた末梢神経の働きが低下します。
すると、神経の働きが鈍くなったり血流の調節が悪くなったりします。
そのため、手足の先に必要な血流を確保できなくなり冷えているという状態が起きてしまいます。
糖尿病の患者さんは、合併症が進行しないように血糖のコントロールを行うことが大切です。
<冷え性の対処法>
原因となる自律神経の乱れを正し、きちんとした食生活を心がける
冷え性に対処するには、
・「自律神経の乱れを正す」
・「規則正しい食生活をする」
・「ストレスの少ない生活を送る」
などを心がける必要があります。
・自立神経の乱れを正す
自律神経の乱れを正すには、交感神経と副交感神経の働きをそれぞれ活発にすることが大切です。
そのためには、「動的な状態にある」「静的な状態にある」ということを体にはっきりと認識させることが必要です。
適度な運動をする
運動時には交感神経が優位に働き、休息時には副交感神経が優位に働きます。
日中は軽い運動をするなど体を動かし、夜はきちんと休息をとるようにして生活にめりはりをつけましょう。
入浴の工夫
湯に入った瞬間は交感神経が刺激され、ゆっくりつかっていると副交感神経が優位になります。
湯上りに水シャワーなどを浴びると交感神経が刺激されます。
このような刺激の繰り返しによって、自律神経の働きが活発になります。
シャワーだけで済ませないで、時間があるときはゆっくり湯船につかりましょう。
<入浴時の自律神経の変化>
入った瞬間: 交感神経が刺激される
湯につかる: 副交感神経が刺激される
水シャワー: 交感神経が刺激される
「ゆっくり湯につかって、湯上りに水シャワーなどを浴びる」を繰り返すと、自律神経の働きが活発になる。
ただし水シャワーは20℃程度がよい。高齢者や高血圧などは医師に相談を。
生活にリズムを
毎日、朝同じ時刻に起き夜同じ時刻に就寝することによって、そのリズムを体に教え自律神経の乱れを起こしにくくします。
・規則正しい食生活を心がける
エネルギー不足から冷え性を起こさないために、年齢や性別に応じた1日の推定エネルギー必要量を満たすことが必要です。
ただし、1日の必要量を夕食だけでとるようなことはせず、次のような点に注意しましょう。
1日分の推定エネルギー必要量を3食に分けて均等にとる。
特に朝食はきちんととる習慣をつける。
毎日同じ時刻に食べる。
1日の推定エネルギー必要量を満たす食べ方
年齢や性別に応じた1日の推定エネルギー必要量を、3食に均等に配分した食事をとること。
1日の推定エネルギー必要量(30~40歳代)
性別 必要量 3回に分けると
女性 2000kcal 約670kcal
男性 2650kcal 約880kcal
・心にゆとりを
ストレスは自律神経の乱れに影響を及ぼします。
社会生活ではストレスがあることは避けられないので、心にゆとりをもち日常生活のなかでほっとする時間を見つけることが大切です。
<人生の午後に入った方へ>
一般に自律神経の反応のしかたは加齢とともに遅くなってきます。
冷えの相談が中高年の男性にも目立つようになったのは高齢社会になったからともいえます。
「冷え性」にはいろいろな原因があり体質も関係しています。
生活にメリハリをつけて自律神経の乱れを正したりエネルギー不足にならないよう食生活に気をつけてみましょう。
すぐに始められることから、まず実行してみてはいかがでしょうか。
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