膝痛の方へ生活の工夫
日常生活で、膝にやさしい生活を
膝を動かす
膝が痛い時には、安静第一になってしまいますが、ずっと安静にしていると膝を支えている太ももの筋肉が弱ってしまいます。
また、膝を動かさないでいると関節の動く範囲が狭くなり、より曲がりにくい伸ばしにくい状態になります。
強い痛みがある時に無理をすることはありませんが、痛みの弱い時にはできるだけ動かして使ったほうが膝には良いことです。
家の中に椅子を置く
畳の部屋で和式の生活をしていると、膝をついたり深く曲げたりと大きな負担を膝にかけてしまいます。
できるだけ洋式の生活をするようにしましょう。
座卓をテーブルに変えるだけでも日常動作は楽になります。
できない場合は座布団を座卓用の低い椅子に変える方法もあります。
また、家の中に膝を休める椅子を置いておくのも効果的です。
玄関に椅子があると、靴をはいたり脱いだりする時に楽です。
立ち仕事をする台所や洗濯機のそばにも椅子があると膝に負担がかかりません。
<座布団を座卓用の低い椅子に替える>
朝はストレッチをしてから起きる
朝目が覚めた時は、一晩中動かさないでいた膝は強くこわばっています。
この状態で急に起き上がろうとすると、硬くなっている関節を無理に伸ばすことになって膝の痛みが強くなります。
起き上がる前の寝たままの状態で、膝の曲げ伸ばしや大きく伸びをして膝関節を動かします。
立ち上がる時の膝の痛みを防ぐ
同じ姿勢を続けた後の動き始めは痛みが起こりやすいです。
長い間椅子に座っていて立ち上がる時は、膝を曲げたり伸ばしたりしてから、ゆっくり立つようにしてください。
床や畳に座っている場合は、椅子の時より大きな負担がかかるので強い痛みがでやすいです。
立ち上がる時に床や机に手をついて、体重を支えながら立ち上がるようにしましょう。
座椅子の場合は、ひじ掛けにつかまり、ゆっくり立ち上がるようにしてください。
買い物の注意
膝が痛いと、どうしても外出しなくなり家にじっとしていることが多くなりがちです。
膝関節だけでなく気持ちまで萎縮してしまいますから、ご近所への買い物などから、少しずつ歩くようにしましょう。
膝が傷み出す前に、こまめに休憩をとって座るようにしてください。
出かける前に座って休憩する場所をいくつか考えておくと安心です。
重い荷物を持つと体重を支えている膝関節にその重さが加わります。
ショッピングカーなどを利用して膝を守りましょう。
家庭で温熱療法
膝の痛みには温熱療法が有効です。
一番簡単なのはお風呂でゆっくり膝を温めることです。
その時、湯船の中で膝の曲げ伸ばし運動を行うと関節が柔らかくなり効果的です。
体の芯まで温まるために、ややぬるめのお湯に、できるだけ長くつかることが大切です。
疲れて入浴したくないときなどには、ホットタオルを使って膝だけでも温めましょう。
ホットタオルは熱めのお湯にタオルをつけて絞るか、ぬらしたタオルを電子レンジで加熱して作ります。
膝に当てておくと冷めてしまうので、何回かタオルを取り替える必要があります。
タオルの上からラップで覆うのも良いでしょう。
正座はできるだけしない
最近は正座をする機会が少なくなりましたたが、訪問先で畳に部屋に通された場合は正座をしないわけにはいきません。
正座は最も深く膝を曲げる動作で、膝にとってはとても負担のかかる動作です。
できるだけ短い時間だけにして、長く正座している場合は20分に1回程度は立って膝の曲げ伸ばしを行い、関節軟骨や半月板にかかる負担をやわらげることが大切です。
仕事上、どうしても正座をしなければならない場合
この場合は正座用の補助具を使うのが良いでしょう。
膝を完全に曲げなくてすむうえ、体重は補助具の台にかかるの、膝関節に過度な負担がかかりません。
冠婚葬祭の場でも正座が必要になることがあります。
長く座る場合は補助具を利用し膝関節を守りましょう。
変形性膝関節症に効く
<大腿四頭筋を鍛える膝の筋力増強訓練>
椅子に腰かけた状態から右膝の位置が変わらないように気をつけながら、右足のつま先を天井にむけて膝を伸ばします。
膝が地面と平行になったら、5秒程度静止。
ゆっくり膝を降ろします。同様に左足も。
左右それぞれ10回ずつ、1日2回(朝と夕方)、3ヶ月続けてください。
余裕のある方は、静止する時間を長くしたり、足に重りをつけるとより効果的です。