認知症のなかでもアルツハイマー病は65歳を過ぎると5歳ごとに発病の危険が
2倍になるといわれており、現在わが国の患者数は65歳以上人口の6%、160万人近くいると
推定されています。
脳にβ(ベータ)アミロイドというたんぱく質がたまって起こると考えられており、
この物質がたまらないようにする薬剤やワクチンの開発が急ピッチで進んでいます。
アルツハイマー病の予防薬はまだありませんが、食生活などの生活習慣を改善することで、
アルツハイマー病の発症を遅らせたり、予防ができるのではないかという研究結果が
いくつか出ています。
これらの結果を総合すると、アルツハイマー病の予防には短時間の昼寝習慣、DHAなどを
多く含む魚類などの不飽和脂肪酸の食品摂取、適度な身体運動、知的刺激などがよいようです。
大学が進めているプロジェクトでは、地域住民2000人近くを対象にした認知症予防研究を
行っていますが、青魚などに含まれるEPA、DHAなどのサプリメント摂取や有酸素運動の実践、
短時間(30分間)の昼寝習慣などによって、認知症の発症率を40%抑えることができたといいます。
昼寝は30分以内
昼寝については、国立精神・神経センター武蔵病院の研究で
「30分間以内の昼寝習慣のある人」と「1時間以上の人」を比べた結果、
「30分以下の人」のほうがアルツハイマーになりにくいという結果を出しています。
トランス脂肪酸・飽和脂肪酸に注意し緑黄色野菜を食べる
米国シカゴで65歳以上の住民8500人を対象に行われた「CHAP(シカゴ加齢と健康プロジェクト)調査」
によると、トランス脂肪酸を含むバターやケーキ、スナック菓子類などや、牛肉などに多い
飽和脂肪酸を含む肉類や揚げ物などを多く摂取するグループ、また高脂肪食・トランス脂肪酸食と
銅を含む食べ物(ナッツやチョコレート、レバーなど)を一緒に食べている人に認知力が低下する
傾向が強いことを明らかにしています。
一方、緑黄色野菜を多く摂取する人たちからはアルツハイマー病の発症が少ないことも
確認しています。
コーヒーの効能は研究中
コーヒーとアルツハイマー病との関係では、フランスやカナダ、ポルトガルなどで
コーヒー(カフェイン)を飲む習慣のある人の方がアルツハイマーの発症リスクは小さいという
報告もみられますが、報告件数が少なく、今後の研究が待たれます。
家で一人でじっとしているのは危険、軽い運動・人との交流が大切
米国のアルツハイマー病教育情報(ADEAR)センターの「アルツハイマー病は予防できるか?」
では、アルツハイマーを予防することを示唆するいくつかの研究成果を紹介し、コレステロールや
高血圧、糖尿病などの危険因子をきちんと管理したうえで、定期的な運動や知的刺激の
ある活動を積極的にするよう勧めています。
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